事案の内容
Aさんには娘Bさんがおり、首都圏に進学していました。ある日、首都圏の病院から連絡があり、Bさんが倒れて入院したとの連絡がありました。あわてて病院に駆けつけてみると、Bさんは極度のストレスで体調を崩していたのでした。
AさんはBさんを看病しながら、悩みがあるのではないかと相談にのりました。そうしたところ、Bさんはある金銭トラブルに巻き込まれていることがわかりました。本人もよくわかっていないようでしたが、Bさんによると「知人の知人から投資話をもちかけられ、のってしまった。200万円を投資金として準備しなければならず、紹介された人からお金を借りた。しかし、投資は思うように利益があがらず、借金を返すこともできずにいたところ、1か月後に取り立てがされ、利息を含めて300万円を返済するように迫られた。どうしてよいかわからず、悩んでいた。」とのことでした。
Aさんは、娘の体調が第一と考え、Bさんがお金を借りたとする人物と喫茶店で落ち合い、300万円を支払いました。Aさんはその人物から領収書のようなものはもらいましたが、そこには個人名が書かれているだけでした。
Bさんの体調が回復し、徐々に落ち着きを取り戻す中で、Aさんは「娘は騙されていたのではないか」と考えるようになり、支払った300万円を取り戻すことはできないか、法律事務所に相談に訪れました。
事案の解決
このような投資をうたった詐欺被害が最近増えてきています。「必ずもうかる」などと宣伝され、被害にあう方が多く出ています。そもそも絶対に儲かる話など存在しません。仮にそのような「必勝法」があるのであれば、それを発明した人が密かに利益を得るはずであり、不特定多数の人にやり方を伝授するなどあり得ない話です。今回のBさんが持ち掛けられた話も、ほぼ間違いなく投資詐欺だと思われます。そして、Bさんはその投資資金としてお金を借りさせられ、投資に回しています。Bさんはお金を受領したこともないようですので、おそらくお金を貸したとされる人と詐欺グループは一体であると考えられます。200万円を借りたのに、約1カ月後に利息が100万円増えるなどという暴利も通常ではありえない話です。
これらからすると、300万円の返済に応じる必要はなかったと考えられます。今回は、Aさんが先に300万円を支払ってしまっていますので、返還請求をすることになりますが、詐欺グループの所在はわかりません。Bさんが取り合っていた連絡先は既に消去されており、Aさんの手元にある領収書に記載されている名前も実在しないものであると考えられます。
このように、一度詐欺グループにお金を渡してしまうと取り戻すことは困難です。詐欺グループにお金を渡す前に、我々のような法律の専門家に相談し、対応を考えることが被害を防ぐ最善の方法となります。今回は残念ながら間に合いませんでしたが、もし身近に同じような問題を抱えた方がいらっしゃる場合には、お金を支払う前に法律事務所にご相談ください。

