Aさんは、平成9年に栃木県の那須地方の別荘地内にひと区画の土地を購入しましたが、その購入時に別荘地の管理委託契約をしました。
その後、最初の2~3年間は管理費を支払っていましたが、以後は管理費の支払いをしていませんでした。Aさんは、土地購入の時はいずれは建物を建ててセカンドハウスとして利用しようと考えていたようですが、現在は建物を建てる予定はないということです。
ところが、最近になって別荘地を管理している会社から未払の管理費を支払うようにという内容の手紙が届いたが、これを払わなくてはならないかというのが法律相談の要旨でした。
一般的に、別荘地は、開発業者が一定のまとまった土地を区画化して整備し、道路や側溝、給排水設備、街路灯等々のインフラを設置して区画化された土地を売りに出し、これを一般の方々が購入して建物を建ててセカンドハウスや終の棲家とするなどして使用することになります。しかし、上記のインフラ設備は市町村等が設置して管理するものではなく開発業者やそこから委託を受けた管理会社が管理することになっており、そのような管理に要する費用は別荘地所有者が負担する管理費によって賄われています。
このため、Aさんのように別荘地内の土地を購入する際に管理委託契約を締結するのが通常なのだと思いますが、実際に別荘地に建物を建てて利用している方とそのままに更地として事実上利用していない方との間では管理費の支払についての動機付けに差が出てきて管理費が未払になるケースもあります。
本件では、Aさんは管理委託契約を締結しているので未納になっている管理費は消滅時効が成立している分は別にして支払わなければならないと考えます。なお、管理委託契約を締結していない土地所有者も管理会社の管理行為により実際上の便益を受けています。例えば、降雪の際に管理会社が行う除雪作業により所有している別荘地への出入りが可能になります。このため、令和7年6月30日に出された最高裁判所の判決では、別荘地内に土地を所有する者は当該別荘地の管理会社に対して管理費として相当と認められた額の不当利得返還義務を負うという判断が出されましたので留意してください。

